文章を書き始めようとして、画面の前で手が止まった経験は、誰にでもあると思います。

日記でも、お礼のメールでも、仕事の報告でも同じです。何を書きたいかはうっすら分かっているのに、最初の一文が出てこない。そのまま時間だけが過ぎていく、あの感覚です。

書き始められないとき、AIをどう使えるでしょうか。

AIに「代わりに書いてもらう」ことを思いつくかもしれません。でも、それだと自分の言葉から離れてしまうことがあります。

そこで今回は、もっと手前の使い方を試します。AIに完成した文章を求めるのではなく、こう頼んでみます。

「〇〇について、思いつくことを箇条書きで10個出して」

出てきた10個を読んで、「これは違う」「これは近い」「これは自分の言葉で言い直したい」と選んでいきます。書くのではなく、選ぶところから始める小さな実験です。

AIが出す箇条書きには、的外れなものや、抽象的すぎるものも混ざるでしょう。でも、それで大丈夫です。10個のうち2つか3つでも「これは自分が言いたかったことに近い」と思えれば、そこが最初の一文の種になります。

AIの言葉をそのまま使うのではなく、自分がどれに反応したかを確かめる。そこが、この実験の大事なところです。

AIが出した内容は、そのまま信じずに、自分の言葉で選び直します。そうするとAIは、書き手の代わりではなく、最初の一歩を軽くしてくれる相手になります。

ただし、AIが出す内容はいつも正しいとは限りません。発想を広げる材料として使うのは試しやすい方法ですが、事実の確認や大切な判断があるときは、自分でも確かめる一手間を残してください。